CG系雑学 その他

3DCGクリエイターの転職活動の流れ

筆者は映像制作会社で3DCGジェネラリストとして5年ほど勤めた後、他社のCGアニメーターへ転職しました。
その時の転職の流れを、覚えてるうちにまとめておきたいと思います。

あくまでも、自分の経験や調べた範囲で書いているので、間違っている部分があるかもしれません。その辺りはご容赦ください。

前書き
転職の際、個人で書類を送るか、エージェントを使うかという2択があるのですが、
自分の場合、目指す会社は大体決まっており、お金が勿体ない気もして、個人で転職活動をすることにしました。
いざ自分で活動を開始してみると、3DCGクリエイターの基本的な転職の仕方が分からず、結構困ったことに・・・。
新卒の就活方法は山ほどでてくるのに、中途転職の方法はネットにもほとんど情報がありません。

そんな中、唯一参考になったのが、このサイト↓
http://cgdesigner.net/

この方はゲームのCGデザイナーとして転職されたらしいのですが、それでも提出書類の作り方など、とても参考になりました。
ただ、約6年前の情報なのと、業界も少し違うので、参考になり辛い部分もありました。
そこで、自分と同じように3DCGクリエイターとして転職を考えている人の参考になれば、そして、もし自分が2回目の転職をする際の備忘録になればと思い書いていきます。
お陰様で筆者は5社ほど受けて書類選考は実質100%通り、内定も複数取れました。

①転職先の会社を選ぶ
明確な転職先が決まっていれば問題ないのですが、
ただ漠然と今より良い待遇、刺激のある会社に行きたい、などといった考えだと結構迷います。
この辺はCGと関係ない一般的な会社の転職と同じで、まずは転職先に希望する条件を自分の中でまとめるのが重要ではないでしょうか。特に絶対に譲れない第一条件は持っておくべきだと思います。転職するならば、絶対に今より良い環境に行けるよう頑張りましょう。

例えばこんな感じ。
・年収〇〇〇万以上

・残業が少ない会社
・自分のスキルアップに繋がる人材が居る会社
・有名タイトルに関われる会社

転職先に希望する第一条件は「お金」か「時間」か「経験」かといった感じですね。

会社の詳細を調べるには、CGworldのプロダクション年鑑が非常に役立ちました。web上で無料でみられて便利です。
https://cgworld.jp/news/book/1910-cgproduction2019e.html

また、下記のサイトもおすすめです。


・CGworld 求人サイト
https://cgworld.jp/jobs/

・AREA japan 求人サイト
https://area.autodesk.jp/jobs/


他にもリクナビやマイナビのような転職サイトは多数ありましたが、正直微妙でした・・・。
大手のゲーム会社やパチンコ系が多い印象だったので、そちらに行きたい方には良いかもしれません。

転職会議などのサイトで行きたい会社の内部情報をリサーチするのも良いのですが、
辞めていった人が書いた情報なので極端にネガティブな意見が多く、あまり信用なりません。

②情報収集
会社探しと並行して、ネット以外での情報収集も大事だなと感じました。
ツテがあるのならば、同じ業界にいる知り合いや、先輩に相談してみましょう。
一人で活動していると視野も狭まったり、やる気が起きず転職の遅延に繋がります。
納期の宣言と同じように、俺はここまでに転職するんだ!と宣言することは結構大事な気がします。
また、疎遠だった人と話すきっかけにもなりますし、思わぬ情報も色々聞けたり。
前会社の取引先の会社や他社の知り合いに転職を伝えたところ、「うちに来ないか?」という展開になることも。
というかこの業界はツテの転職の方が多いのかも・・・。
③選考書類の作成
これがデザイナーの転職活動のメインとも言えるでしょう。
必要な書類は以下の通り。
=============
・履歴書
・職務経歴書
・ポートフォリオ
=============
(書類は最終的に全てPDF形式、動画はmov形式で提出しました。)
実質ポートフォリオさえ完成すれば、転職活動の8割は終わったような物ではないでしょうか。
1つずつ要点を書いていきます。


③-1 履歴書
クリエイターの転職活動で最も重要度の低い書類でしょう。
ありがたいことに、最近は手書きの必要もないので、web上で志望動機などの作文欄が少ない履歴書のwordフォーマットをダウンロードし、ささっと書いてしまいましょう。

こちらのサイトのJIS規格テンプレートがおすすめです。↓
https://doda.jp/guide/rireki/template/?sid=GuideCommonDoc_rireki

とにかく中途採用では即戦力が重視されるので、作文に頭を使う暇があったらポートフォリオのクオリティを上げたほうが良いと思います。もちろん、履歴書も雑な作りではなく、必要な情報は正確にに書きましょう。
志望動機については簡潔に書いて、詳細は面接で話せばOKだと思います。


③-2 職務経歴書
ほとんどの会社で求められた書類です。
選考担当の中にはデザイナーではない人も居て、
その人たちはポートフォリオよりもコチラを重視しているような気配も面接で感じました。
どのみち面接で聞かれるので、必要書類に入っていない場合でも、とりあえず送っておくことをお勧めします。

以下が自分の出した職務経歴書の内容です。
ここに関しては一番最初に紹介した、ゲームデザイナーさんのサイトを参考にしたほうがよいかもしれません。
実際の経歴書がUPしてあり、より具体的なアドバイスが載っています。
自分のスキルに自信がある人は、要約や自己PRを削ってもOKかもしれません。
======================================
①職務要約
前職で何をしていたか、何を意識して働いていたかの要約を200字程度

②職務経歴(制作実績)
前職の会社情報と、携わった作品内容を記述。
|作業開始日|作業終了日|作品タイトル|主な業務内容|
自分はこの4項目を表にしました。
開始日、終了日は大体でいいのかなと思います。
未公開タイトルの扱いは注意しましょう。

③業務内容について
自分の場合、ディレクター業務や制作的なこともしていたので、
ディレクターとしてどんな事をしていたのか、相手にわかるよう簡単にまとめました。
モデラー専業だった人でも、「育成担当だった」、「マニュアルを作っていた」、などがあれば書いたほうがお得かも。
要は選考する人にどんな仕事をしていたか、個人的に伝えたいことがしっかり書かれていればOKだと思います。

④使用可能ツール
使えるソフトやプログラム言語を記述

⑤自己PR
前職で意識していた働き方、こだわり、何が得意だったかなどを200字くらいでまとめます。
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③-3 ポートフォリオ
職種にもよりますが、アニメーターやモデラーならば、ポートフォリオのレイアウト、デザイン性はあまり追及しなくても良いと思います。
その辺の感性は、仕事や自主制作で作った「成果物」から判断してもらえるはずです。
どちらかというと即戦力になるかどうかの判断基準として「何時間でどの程度の物が作れるか」が重視されていると思います。
陸上競技の100m走で例えると。走りのフォームや体格より、現状出せるタイムが全てみたいな感じでしょうか。
自分の場合、表紙は白地に黒文字でタイトルと名前だけだったり・・・。
中途採用では、凝ったレイアウトや表紙よりも、中身の分かりやすさ重視でシンプルに作って大丈夫だと思います。

構成は主に3パターンくらいあります。
・時系列順
・作品順
・内容順

自分は前職がジェネラリストだったこともあり、一応モデリングやスクリプトもできるアピールをしたかったので、
モデリング、エフェクト、スクリプトなどの内容順で分けました。
量としては、ページ数が目次も合わせ16ページ、あとはデモリールとアニメーション参考動画の3点を提出しました。
後から思うと、アニメーター専業で狙うのならば、もっとページ数は少なくても良かったのかもしれません・・・。

・ポートフォリオに載せる内容に関して
自分の場合、自主制作作品は全く載せませんでした。
学生時代の作品は載せられるレベルではなく、プロになった後は自主制作する暇も無かったので、やむを得ずというところです。
面接でそこに突っ込まれることはありませんでした。
そして、かなり頭を悩ませたのが、仕事の作品をポートフォリオに載せてよいのかどうか、という問題です。
実際放映された画面ならばキャプチャで大丈夫だと思いますが、それ以外の撮影処理を抜いた途中段階のチェック画像などを載せていいのか・・・。
自分が出した結論としては、「未公開作品は一切載せない、それ以外はグレーゾーンとして会社の不利益にならなさそうなものは載せる」、でした。
「ポートフォリオに作品の画像載せていいですか?」と会社に相談したとしても、会社の立場上とOKとは版権的に言えないと思います。(ここに関してはあまり詳しくないので、間違っていたら申し訳ありません。)
しかしながら、仕事で作ったものを載せないと多くの転職者はポートフォリオが作れず、採用する会社としても判断基準が得られず困ります。載せてよいものと悪いものは、個人で判断するしかない気がしました。

・デモリールに関して
色々調べた結果、どんなに長くても2分前後を目安にするのがベターらしいです。
後から自分のデモリールを見ても、2分あると結構見るのがしんどかったりするので、
これを赤の他人が見るとなると、2分でも長すぎるということなのでしょう。
なんとなく作ったら5分以上あって削るのに苦労しました・・・。

・アニメーション参考動画に関して
こちらはドラフト会議で出すような、素体にモーション付けしたものを出しました。
1時間でこれくらいのモーションが作れるぞって感じで、作業時間を意識した作りに。

④応募する
書類も完成したので、あとは送るだけ!
まず、どこで応募するかですが、リクナビなどの転職サイトやCGworldなどの求人仲介などは可能な限り避けたほうが楽です。
web上の記入項目が無駄に多かったり、仲介担当を挟むことになるので、レスポンスが悪い場合がありました。
行きたい会社のwebサイトから直接応募できるならばそこで、サイトが無い場合は直接会社にメールを送り、実際の会社の採用担当に対応してもらうのが確実で早いです。メールにはGメールを使用しました。
大きな会社の場合、直メールはNGな場合もありますので、選考の流れはしっかり会社ごとに調べましょう。
不安な場合、電話で聞いてみるのも良いかもしれません。


書類の提出方法は会社によって細かく指示があったり無かったりでしたが、基本的に全てオンラインストレージで提出可能だと思います。
書類を直接送って欲しそうなニュアンスで書いてある場合でも、電話で問い合わせるとオンラインストレージで大丈夫だと言われたりもしました。webサイトの情報が古いままの会社は結構あると思います。
書類をもらう側としても、データの方が圧倒的に楽でしょうし。

自分の場合この「firestorage」というサービスを使いました↓
http://firestorage.jp/

ネット上に鍵付きの圧縮データをUPし、パスワードを先方にメールで送り、ダウンロードしてもらう方式です。
1か月約1000円のプランに入ると、先方でダウンロードされたかどうかも分かり安心しました。
赤の他人にダウンロードされると恐ろしいことになりかねないので・・・。

一社ごとにDVDを焼き、ポートフォリオにファイリングしていた昔と比べると、涙が出るレベルの手軽さですね!
ただ、一歩間違うと流出事件になりかねないので、細心の注意を払いましょう。

⑤面接
面接に関しては、一般的な対策サイトが沢山あるので、そちらで対策しましょう。
5社面接して、ほぼすべての会社で聞かれた内容を箇条書きにしてみます。

どの会社でも聞かれたこと
・とりあえず簡単に自己紹介を
・なぜ転職したのか
・なぜ弊社を選んだのか
・希望年収はどの程度か
・他に応募している会社はあるのか
・複数内定が出た場合どうするのか
・趣味は何か
・休日は何をしているのか
・入社できたとして、どういった立場の人間になっていきたいか
・いつから働けるか
・最後に何か聞きたいことはあるか

そりゃそうだよな、という内容ですね。自分が一番焦ったのは、全く考えていなかった希望年収でした。
しっかり対策して面接に臨みましょう。

最後に必ず聞かれる、こちらから会社側への質問は特に重要で、複数内定が出たときの大切な判断基準になります。
近年CG業界も常時人手不足な会社が多く、昔より内定が出やすい状況ではないでしょうか。
年収や、残業、離職状況なども臆せず聞いて大丈夫だと思います。
複数内定が出た場合どうするかも考えておきましょう。

⑥その他
・面接時の服装
スーツではなく半分私服でいきました。「メンズカジュアル」というらしい。

・退職を切り出すタイミング
個人的には早めが良いと思います。
業界的に半年以上先の予定まで決まっていることが多いので、会社のことを考えるならという感じです。

・失業保険
退職から転職に期間をあける人も多いでしょう。
通常失業保険は退職から約4か月後にもらえるのですが、自己都合退職でも直ぐに手当てがもらえる場合があります。「失業保険 特定受給資格者」で検索すると色々分かります。
正直この業界だと当てはまる人はたくさんいる気がします・・・。
うつ病にせよ、過剰残業にせよ、申請は狭いCG業界だと諸刃の剣になりかねないので、同じ業界で転職する場合はよく考えましょう。
最近は働き方改革でそんな会社も無くなってきている感じはしますが。

・応募する会社の数
自分は5社受けましたが、多すぎました。
書類が通るかどうか、全くの未知数だったのも大きいです。
書類が全て通ったのはうれしい反面、面接回数が凄いことになります。
さらに、仮に2回目の転職をする際、一度辞退した会社に受けなおすことになる可能性があるのも考え物です。
2~3社が丁度いいような気がします。

・エージェントに関して
エージェントは、年収が良い会社に入りたい人に特に良いんじゃないかと調べて思いました。
後は転職活動が、忙しくて難しい、だるい、やる気が起きない、人にもおすすめだと思います。
エージェントの報酬は転職先の会社の年収の〇割みたいな感じが多いらしいので、エージェントは頑張って高収入な会社にあなたを入れようとしてくれます。そして、エージェントとのやり取りの中で、ポートフォリオは何時までに出すのか、という話になってくるので、だるくても強制的に転職活動をしなければなりません。

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