[After Effects]CG系雑学その他

明度と輝度の違い

明度と輝度について自分なりにまとめます。
After EffectsやPhotoshopをメインに使うけど、色彩のプロじゃない人向けかも。
はじめに

輝度には光学、天文学など、様々な分野で使われる単位のようですが、ここでは動画や画像処理の分野で使われる輝度を説明します。また、RGB値は8bit256の値を前提に書いてます。
輝度と明度には色々な基準があり、様々なウェブサイトを見た限り、これだ!という明確な答えがみつかりませんでした・・・。YUV、HSV、HLS…調べれば調べるほど沼にハマりそうな内容だと分かります。
要はAEやフォトショで輝度や明度のスライダーを調整するとき、調整の基準が欲しい、のです。
曖昧な説明や間違ったことを書いている可能性も高いです。その辺りご容赦ください。

とにかく記憶しておくこと

明度も輝度も数値化する場合、黒0%~白100%のパーセンテージやグレースケールで考える。
そのパーセンテージで作ったモノクロ画像を見ることで、輝度と明度の違いが視覚的に判断できる。

明度・・・単純に彩度を0にした時の値
輝度・・・色による明るさの違いを考慮した値

明度

明度は単純明快で、RGB値の最大値がそのまま明度になります。
例えばRGB(50,200,128)という緑色があったとすると
最大値は200なので 200/255≒78%
明度は78%ということになります。

AEの情報タブを見るとこんな感じ 
右側のHSBの「B」が明度情報

 



輝度

輝度は色によって人間が認識する明るさの違いを考慮した値になります。
赤青緑の三原色だと、緑が明るく感じ、青が暗く感じる、といった具合。

<計算式>
0.3R+0.6G+0.1B

明度の時と同じRGB(50,200,128)で考えると
0.3*50+0.6*200+0.1*128=0.3*50+0.6*200+0.1*128
                                       =15+120+12.8
                                       =147.8

147.8/255≒58%
輝度は58%ということになります。
緑なので、明度より値が高いのかと思いきや、そうでないのは
青成分も128と結構入っているため、トータルで考えると明度より低い値になっている、ということです。

モノクロ画像で見る明度と輝度の違い

元画像

明度                 輝度

 

 

 

 

 

パーセンテージをモノクロ画像に置き換えたものです。
BOX状の三原色を見ると分かりやすいですが、輝度のほうは色によって明るさに違いが出ているのが分かります。また、鯉のぼりを見ると、左から3番目の青い鯉のぼりは輝度のモノクロ画像で一見一番暗い鯉のぼりになりそうですが、この青い鯉のぼりのRGBは(50,130,200)と一番明るい緑の成分も130と多めに入っているため、赤い鯉のぼりより明るく見えているのです。

AEでの輝度と明度の抽出方法 多分他にも色々なやり方があると思います。
今回はチャンネルコンバイナーで明度と輝度をアルファ情報に変換して、色を付けています。

明度を上げる/下げる、ということは

色相/彩度エフェクトで明度を調整する場合、0から100に値を調整すると画面全体が真っ白になります。逆に-100に調整すると真っ黒に。
結局このエフェクトで明度を上げていくということは、真っ白い平面を上に重ね、不透明度を0%から100へ上げていくことと全く同じようです。
つまり、真っ白_RGB(255,255,255)でない限り、マスターの明度が99までは絶対に白トビしないといえます。
下げるときも同様で、真っ黒い平面を上に重ね不透明度を・・・ということですね。

明度 -100 明度 -50 明度 0 明度 50 明度 100

まとめると
・明度を上げる/下げるとは、上に重ねた白/黒平面の不透明度を0%から上げる/下げると同義
・明度を上げる/下げるほど画面はコントラストが無くなっていくが、絶対に白/黒トビしない

輝度を上げる/下げる、ということは

輝度&コントラストエフェクトの輝度の値を見てみます
輝度の値を徐々に上げていくと、暗いところから明るいところへ出た時のまぶしさみたいなものを感じます。逆に下げる場合は部屋の照明を豆電球に変えるくらいの、比較的優しめの暗さになりました。
値を変えたとき現実で比喩できるような画像になるということは、やはり人間の目に合わせた調整がされているんだなと感じます。明度では感じなかったその差は、やはりコントラストにありそうですね。

輝度 -150 輝度 -75 輝度 0 輝度 75 輝度 150

輝度は限界まで上げても陰影や色が残っており、風景など複雑な色合いの画像の明暗を調整するときには、明度で調整するよりもリッチな絵になりそう。ただ、元の画像に白トビ/黒トビした色があると、それはどれだけ輝度を調整しても全く値が変わらないようです。(鯉のぼりの目と口元は色が飛んでるので、分かりやすい)
つまり、画像に白トビ/黒トビの色がある状態で輝度を調整すると変な色が混じることになります。(暗い中に真っ白な色が混じるとか・・・)こういうことがあるから、どんな時でも極限の値は使わない方がいいのでしょう。

まとめると
・輝度を上げる/下げると現実で感じるような明るさ/暗さになる
・輝度を調整するときは、白トビ/黒トビ色があってはいけない

まとめ

画像をもっと明るくしたい、暗くしたい時に、輝度、明度どちらで調整するか、
値を調整したときにどのような変化が起きるか、なんとなく理解できたのではないかと思います。

その画像を淡泊にしたかったり大味な調整がしたいときは明度
コントラストが欲しかったり、微調整がしたいときは輝度

で使い分けるのが良さそうですね。

参考サイト

 

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